2018年9月2日 市川図書館で開催された
「サラリーマンの戦後史」 真実一郎先生
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「明日クビになりそう」「働かざる者たち」 サレンダー橋本先生対談会
に行ってきました。
車で会場に向かったのですが、日曜日の午後1時~
真実一郎戦士もサレンダー橋本先生の本をこれまで読んだことはな
対談会は撮影、録音不可でしたのでメモと記憶のみで、
「サラリーマン漫画の戦後史」
まず、真実一郎先生のお話でした。
先生は、過労で倒れてサラリーマンとは何か、映画とかマンガを掘っていくうちに、誰もサラリーマン漫画と時代を関連付けてまとめた人がいないことに気づいたとのこと。
真実一郎先生は、「インサイター」というブログを初めて投稿していたところ、ライターとしての仕事を引き受けるようになったそうですが、今でも固い会社の現役のサラリーマンで副業として、漫画展の監修やライターなどをされているそうです。
先生によると、サラリーマン漫画の原点となったのは、
源氏鶏太
という小説家の作品です。
様々なサラリーマン映画の原作になっているそうですが、私が聞いたことがあったのは、
三等重役
くらいでした。
この人の作品の特徴は、
「家族主義」、「人柄主義」
サラリーマン=終身雇用で守られた中間層
であり、人柄がよければ会社でも認められて出世するし、結婚相手も見つけてもらえるという昭和サラリーマンのモデルを書いていたらしいです。
ただし、実際に読んだことがないのですが、時代背景にあわないため、今、読んでも参考になることは少なく、どんどん絶版になっているそうです。
島耕作シリーズ
は、この源氏小説の後継作品となると説明していました。
つまり、島耕作はあんまり仕事をしていないのに、仲良くなった女から情報を引き出して、
漫画作品で紹介されたのが、
中年スーパーマン 左江内氏
これは昨年ドラマ化された藤子F先生の作品ですが、私は学生の頃によみ、さらにサラリーマンになって読み返すと身につまされる気づきも多く、時代を超えた普遍的なメッセージがあり、やはり藤子F先生はすごいなあと思いました。
オイルショック後
サラリーマンも不安定になり、報われない社畜となりつつあるのを書いた作品という解説です。
この作品は、さえない中年サラリーマンの左江内氏が突然スーパーマンになるというお話です。
左江内氏は、会社での展望は見えず、家庭では高校生の娘と中学生の息子に時に反抗されたり、政治や社会のありかたに怒りを感じたりしながらスーパーマンとしても必死に頑張ります。しかし、自分が信じていた価値観は、反対側から見たら絶対的な正義でないことを思い知らされたりするなかで、最後はなんとパーマンの登場人物と出会ったことで希望を見つけるという終わり方でした。
この作品には、将来への不安や閉塞感を感じながらも、会社でも家庭でもそれなりに平和な生活をしている点、小市民なりにも自分の正義を貫き通すところにリアリティを感じて共感しました。
すべてのサラリーマン漫画に通じることかもしれませんが、どうやって
現実と理想のギャップの折り合いをつけて生きていくか
ということが普遍的なテーマなのではないかと感じています。